今日は、子どもの「やりたい!」を尊重するなら、「やめたい!」も同じくらい尊重したらどうか?といったテーマで書いてみたいと思います。
「やめたい」はダメなこと?
先日、子どもたちが通っている運動系スクールで、あるお子さんが「もうやめたい!」と涙を流していました。
それを聞いたとき、とても驚きました。
なぜなら、そのお子さんはとてもその競技が上手だからです。
好きだからスクールにも来ているし、上達もするのかな、と端から見ていて思っていました。
ですが、その子によると、
・スクールに行くまでの時間が嫌
・試合は楽しいけど、練習が嫌
・習い事をしたくない
とのこと。
「自分でコーチにやめるって言う!」
泣きながらそう言っている様子を見て、よっぽどやめたいのだろうなと感じました。
本人がやりたいことをさせてあげたい、という親御さんは多いと思います。
それが顕著に現れるものの一つが習い事です。
始めたきっかけが本人のやる気だったという話はよく聞きます。
習い事は、やってもいいしやらなくてもいい。
とても自由度の高い選択です。
この子がどのようにしてスクールに通い始めたのかは知りませんが、現状スクールをやめるという意思表示をし、自分でコーチに言いに行くとまで言っているのですから、よっぽど強い気持ちなのでしょう。
「やりたい!」という意思表示を汲んであげることも大事ですが、「やめたい!」という意思表示を汲んであげることも同じくらい大事なことじゃないでしょうか?
子ども本人が選択しているのですから。
やめるってそんなに悪いことかな?
そんなに習い事が必要?
泣いているその子のそばで、その子の保護者の方が
「じゃあこのスクールやめて学習塾に行く?」と聞くと、
その子は、
「勉強はしたくない!習い事をしたくない!!」
と言いました。
聞くところによると、このスクールをいれて現状で3個の習い事をしているようです。
これが多いか少ないかは各御家庭によると思いますし、この短時間のやりとりだけ見ている他人の私がとやかく言う問題ではないのは大前提として、それでも、その子の余白が少なくなっているのではないかな。。感じました。
この出来事のあと、ちょうどこんなトピックが目に入りました。
「現代の小学生は忙しすぎる…」専門家が断言する、“放課後の余白時間の消失”が子どもから創造性や自立心を奪うワケ(with online) – Yahoo!ニュース現代の子どもたちは、放課後も塾や習い事でスケジュールがびっしり。民間学童保育・保育園を広く展開する、東急キッズベースキャンnews.yahoo.co.jp
この記事によると、最近の小学生は習い事が多く、時間、空間、仲間の3つの間が少なくなっていると警鐘を鳴らしていました。
共働き家庭が増えたり、安心して子どもたちだけで遊べる場所が減ってしまったりといった要因もあってか、習い事をしている子どもは増えているそうです。
ゆとりのある時間に、自分の好きなことをして創造性を育んだり、公園などで思いっきり体を動かしたり、自由な時間に他学年の子たちと交流することでコミュニケーション力を高めたりといった時間が少なくなっているとのことです。
余白のある、余裕のある放課後の中で、本人が自分の得意なものを見つけたり、学校でうまくいかなくても遊びの中で何か夢中になれるものを見つけたりできると自信を取り戻すことができますし、自己肯定感も育まれていきます。
上記リンク先本文より
「やめたい」という発言は、この子にとっての余白がちょっと少なくなっているよ、という本人からの合図なのではないかな、と。
習い事だけが子どもの成長に直結するわけではなく、好きな遊びをする時間からも、子どもは学ぶことがたくさんあるはずです。
周囲の反応も考えもの
ちなみに、泣きじゃくるその子の話を聞いていた他の保護者の反応は「やめないで!」でした。
どんな思いでそう言ったのか、真意はわかりませんが、
・こんなに上手なのにもったいない
・うちの子がその子と仲が良いため、やめてほしくない
・こういうシチュエーションでは止めるのが正解だろう
といった考えがあったのかもしれません。
親御さんもスクールをやめさせたくない様子だったので、大人の対応として親御さんへ向けた「やめないで」だったのかもしれません。
でも本人にとって、こんなにやめたいと言っているのに親にも周りの大人にも止められるって苦痛じゃないでしょうか?
なんで始めるときは賛成してくれるのに、やめるという決断は賛成してもらえないのだろう。そんな風に感じていたかもしれません。
ちなみに、その子のスクール在籍歴は1年以上あって、短期間でやめたいと言い出したというわけではないと思います。
まとめ
継続は力なり。
それは間違いない。
でも、「続けること」だけが目的になっていないかな?
・「やめたい」はダメなこと?
・余白の時間も大事
・周りの大人もその子の気持ちを考えてあげたい
各御家庭で考え方は様々であるのは承知していますが、子どもの「やりたい!」を尊重するなら、「やめたい!」も同じくらい尊重したらどうか?といった話題でした。
どなたかのお役に立てたならうれしいです!